オーナーの妹である青柳百音は、コンシェルジュの中嶋と御子柴とともにモーテル・アネモネを切り盛りしていた。しかしオーナー代理として働き始めたばかりで仕事が上手く行かず、百音はコンシェルジュ達と馴染めずにいた。
この日、百音の友人であるアヤカも宿泊していた。
アネモネに来た宿泊客は、ロビーでアイスやお酒を片手にそれぞれの時間を過ごしていた。しかし19時になると、自分の部屋に戻れとコンシェルジュからアナウンスが。最近、夜が更けるとモーテル内でおかしなことが起こるそうだ。夜はこれからなのに…。宿泊客達が不満げに部屋に戻ると内線が鳴る。
「・・・1階の・・・ロビーに・・・おりてきてください・・・急いで・・」
囁くような声でそう言われ、アヤカや他の宿泊客たちはロビーに向かった。
集まってくる宿泊客を見ながらコンシェルジュたちは、誰も内線をしていないと驚いた顔をする。すると停電が発生、館内が暗闇に包まれる。百音が急いでブレーカーを上げると、アヤカたち宿泊客の姿が消えていた。パニックになるコンシェルジュたち。
3人の様子を見て更に驚いていたのはアヤカと、もう1人の男性コンシェルジュ、そして他の宿泊客たちだった。彼らは消えてはいなかった。ずっと一緒にロビーにいるのに、百音たち3人は宿泊客の声も聞こえず、姿も見えなくなってしまったのだ。コンシェルジュ曰く、これはモーテルの“呪い”かもしれない。

アネモネができる前、ここは“モーテルブラザー”という別のモーテルだった。とある従業員が謎の死を遂げ閉館し、何部屋かが開かずの部屋として当時のまま残っている。
その部屋に呪いを解く手がかりがあるかもしれない。男性コンシェルジュとアヤカを中心に、宿泊客が開かずの部屋を調べて回る。その結果、ブラザーのオーナーの弟である「満作」という男が“呪いのゲーム”を作り、従業員を呪殺した事が判明した。
当時からある倉庫の奥深くに今も眠っているそのゲームが、呪いの原因かもしれない。
呪いを解くために、危険を顧みず百音はゲームをプレイする。宿泊客の力を借りながらなんとかクリアすると、無事に呪いが解け、百音たちは宿泊客が見えるようになった。
このゲームは“呪いのゲーム”ではない。
百音と宿泊客のように、ゲームを通じて従業員と仲良くなるために満作が作った、優しさの詰まったゲームだった。百音とコンシェルジュ達もすっかり打ち解け、これから一緒にアネモネを盛り上げようと誓う。
ここまで宿泊客をまとめてリードしてくれた男性コンシェルジュに礼を伝えようと、アヤカは彼を探すが姿が見えない。百音たちもそんなコンシェルジュはいないと言う。
一体彼は何者だったのか。ひょっとすると彼が…。